交通コンサルタントの阿部等さんと路面電車の本を出している大賀寿郎さんのトークイベント「満員電車ゼロ、路面電車発展史」が行われた。池袋のジュンク堂書店で行われた。阿部さんの話に興味持っているので参加した。


<1>予約

予約申し込みは、ジュンク堂書店のカウンタか電話でとのこと。2日前に電話したところ、氏名と電話番号のみ聞かれた。定員が40名でありまだ余裕があるとのこと。


<2>開催場所の喫茶店は

18:21 ジュンク堂池袋店に到着。地下1階から9階までビルまるごとジュンク堂であり充実している。早めに来ておいて本屋の中で時間を調整することができるので便利である。

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1階はなんとレジが27台用意されており圧巻であった。これだけ大規模なレジは本屋以外を含めても今まで見たことがない。各階での支払いをすべて1階に集中している仕組みをとっているのである。また、レジが開いたらレジの人は番号札を上げる方式であり、次の人がどのレジが開いたかどうかがすぐわかるようになっている。この番号札方式も見たことがないが、とても良い方法だと思う。ユニクロも採用したらどうか。

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18:30ごろに2回ほど、このトークイベントの放送が流れる。突然参加する人もいるだろう。このトークイベントのために4階の喫茶店は18:30に閉店となった。

開催場所である4階到着。受付開始時間となる19時になってもまだ開始されない。

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遅れて受付開始した。参加費1000円を支払い、ドリンク(1000円に含む)を選び着席する。

あれ?椅子がずらっと並べられている!

喫茶店なのだからテーブルがあるイメージであったがそうではなかったのである。「喫茶店で」といったら喫茶店のイメージを思い浮かべるでしょ。優雅にコーヒーを飲みながら講師の話を聞くのかと思っていた。しかしドリンクを置く場所すらない。トークを聞くのがメインなので不満とまではいかないが、残念である。このような環境であることをホームページに一言加えてくれるとより親切である。

参加者は次々と着席した。正確に数えていないが40名くらいいただろう。椅子は40席どころか50席以上あった。

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<3>全体の流れ

19:30開始。阿部さんと大賀さんが登場。

本を出版した戎光祥(えびすこうしょう)出版の社員さんが2人の紹介をした後、阿部さんと大賀さんがそれぞれ20分程度話した。

20:14 阿部さんから大賀さんへ、大賀さんから阿部さんへ相互に質問をした。
20:42 参加者からの質疑応答の時間となった。4人から質問があった。
20:58 最後に2人の今後の活躍予定について説明があり、終了となった。

最後は出口でお2人が出版物のサインを行っていた。私も阿部さんにサインしていただいた。



<4>阿部さんの提案はロジカル思考に基づいていた

阿部さんは、著書「満員電車が無くなる日改訂版」に書かれている内容から、本当に満員電車を無くすことができることについて話をされた。

「世界中の鉄道が他の産業から立ち遅れている」とのこと。しかし「逆に言えばこれからイノベーションができるということでもある」と力説していた。

また、鉄道運賃が低くおさえられている問題については、「1日4000万人が利用しているが、客単価を40円上げるだけで年間6000億円を生み出す」とのこと。東急の鉄道部門は年間1500億円の売り上げ、東京メトロでも3000億円の売り上げであり、東急の4倍、東京メトロの2倍のお金に相当するとのこと。希望が持てる話である。値上げをしてその増収分を改善に充てればより鉄道もより快適・便利になり利用者に大いに利益をもたらすのである。

阿部さんは都心部のラッシュ運転について「過密運転ではなく過疎運転である」、とこれまたびっくりする言葉がでてきた。「中央線は東京駅折り返しあるので80秒間隔、田園都市線や東西線のような都心直通型では60秒間隔運転が可能であり、大幅な混雑緩和が可能である」という提案は、提案の大胆さには好感持っていたものの実は今まで全く信じていなかった。しかし今回説明を聞いて、極めてロジカルに考えた上での提案であるということはよくわかった。

阿部さんは「鉄道はラッシュ時でも出発した瞬間から次の電車が到着するまでおおよそ70秒かかるが、バスであれば次のバスが停留所に入ってくるまで70秒もかからない」と話された。確かにそのとおりである。まだ私は今でも80秒、60秒になるとは信じられないが、それは感覚的に信じられないということである。本当に満員電車が無くなるかもしれない、それならば物凄いことである。

質疑応答では
「東京の人たちを地方に送り返してはどうか」「ICカードで着席料金を徴収した分をふるさとへ還元したらどうか」「宇都宮のLRTについて反対派が強いがそのことについて」
などが出された。

阿部さんは、それらの質問について的確に回答しており感心した。東京一極集中については「集積の益」と話され、集中させることの利点を重視している考えを示した。

詳しくは、以下の本で書かれているので読んでいただきたい(クリックするとアマゾンのページに飛びます)。



<5>大賀さんは詳しく話されていた

大賀さんはご自身のことを「私は鉄道に関しては素人」と言っていた。しかし、路面電車の歴史について実に詳しく、そして理路整然と説明できるのである。大賀さんのことは今まで知らなかったが、話を聞くことができて良かった。

大賀さんは75才になったという。温和なお顔をされていた。私はこのような知識が豊富で温和な75才になれたらいいなと思った。

大賀さんは、これからの活動について「鉄道を趣味としている人が多いがいささか楽しみ方が狭くないかと思っている。鉄道趣味の入門的な本を出したい」と言っていた。おそらく面白い内容の本になるだろう。



◆まとめ(感想)

(1)阿部等さんは今までの鉄道常識では考えられない大胆な提案をいくつもしているが、実はロジカルに考えての提案であることがこのトークイベントを聞いて良く分かった。質疑応答でも的確に回答をしているのには感心した。ロジカル思考に基づいているという気づきはこのトークイベントに出なければわからなかった。

(2)例えば、「中央快速線のような東京駅で折り返しがある路線は80秒間隔、田園都市線や東西線のような都心直通型路線では60秒間隔まで縮めて運転できる」という理論は、このトークイベントまでは正直無理と思っていた。しかしロジカルな説明を受けて、できるのではないかという思いもしてきた。実現できたら凄いことである。満員電車が本当になくなるのかもしれない。

(3)大賀寿郎さんの「路面電車発展史」では、路面電車の歴史について実に詳しく理路整然と説明していた。また、温和なお顔をされた方であった。

(4)講演を聞くことは、本を読むだけでは気づかない部分も理解することができ、勉強になるのである。




※ 参加日 2017年1月7日

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