東急の2大動脈線の一つは田園都市線であり、もう一つは東横線である。

私が学生だった頃(二十数年前)の東横線は、渋谷と横浜(桜木町)とを結ぶだけの路線であった。そして中目黒で同一ホームにて日比谷線始発に乗り換えることができる、という路線であった。

しかし、そんな東横線は、二十数年の間にいくつもの進化し続けてきたのである。そのことを紹介したい。


<0>進化の軌跡

(1)複々線化区間の延長(1999・2008年)
(2)目黒線のブラッシュアップ・都心部へ直通運転(2000年)
(3)みなとみらい線との直通運転(2004年)
(4)副都心線と直通運転(2013年)
(5)特急・急行系の10両編成運転(2013年)


そして、今後もさらに進化し続ける。

(6)相鉄・東急直通線の開業(2022年度下期予定)

これらをそれぞれみてみよう。


<1>複々線化区間の延長(1999・2008年)

(複々線化を日吉まで延伸する意欲的な東急)

目蒲線を目黒線と多摩川線とに分離しただけではない。東横線区間の「多摩川・武蔵小杉間の複々線化(1999年)」、「武蔵小杉・日吉間の複々線化(2008年)」というように東横線区間の複々線化を行って混雑緩和に努めているのである。

(※ 田園調布・多摩川間は、すでに目蒲線で路線もあったので複々線「化」とは言わない。)

特に、「武蔵小杉・日吉間」の複々線化工事については、当時は「そこまでやるの?」という風潮もあった。私が昔、東横線のその区間に乗車していたときにたまたま乗客の声が耳に入った。「なんでそんなに工事ばかりしているのか」という意見である。私も、「(南武線との乗換駅である)武蔵小杉まででもいいのではないか」という気持ちも正直あった。

しかし東急経営陣は先見性を持っていた。横浜市営地下鉄グリーンライン沿線利用者にとっても日吉からは都心部まで直通で乗車でき、また今後の相鉄・東急直通線にも役立つことになるからである。


<2>目黒線のブラッシュアップ・都心部へ直通運転開始(2000年)

(事実上の別線複々線化効果!)

東急は、東横線利用者の混雑緩和にむけてさらなる努力を払った。蒲田と目黒とを結んでいた「目蒲線」を、「蒲田・多摩川間」の多摩川線と「多摩川・目黒間」の目黒線とに系統分離して、目黒線にブラッシュアップをかけたのである。

目黒線は、目黒止まりではなく南北線・都営三田線へ直通運転とした。都心部へも直通できることにより目黒線利用でも便利になった、そのため、東横線利用者の一定数は目黒線へと切り替え、東横線の混雑緩和に貢献することになった。

事実上の別線による複々線化効果をもたらしたのである。


<3>みなとみらい線と直通運転(2004年)

東横線は、当初は桜木町までの路線であった。しかし、みなとみらい線の開業により、横浜・桜木町間が廃止され、元町・中華街への直通運転となった。東横線沿線からみなとみらい地区への移動が飛躍的に楽になった。

なお、この直通運転と同時に、東横線の横浜駅付近が地下化された。


<4>副都心線と直通運転(2013年)

(新宿三丁目・池袋へと乗り換えなしで到達できるようになり、東横線がますます便利になる)

東横線は渋谷までであったのが、副都心線と直通運転することにより、新宿三丁目、池袋まで乗り換えなしで到達することができるようになった。今まで渋谷からJR山手線に乗り換えて新宿・池袋に行く手間から比べれば飛躍的に改善されたのである。


<5>特急・急行系の10両編成化(2013年)

(長編成化による輸送力増強が実現)

東横線は8両編成であったが、東武東上線・西武池袋線方面から副都心線へ直通する電車は10両編成が走行できる。そのため、東横線も10両編成にしないと東武・西武方面からの10両編成電車はすべて渋谷で折り返さなくてはならない。これでは効率が悪いので10両編成にすることとなった。

東横線はホームが8両分しかなかった。しかし、特急・急行停車駅だけでもなんとか10両編成が停車できるようにできたのである。

東横線特急・急行系の10両化により、輸送力が2両分増強となり混雑率上昇をできるだけ防ぐことができたのである。



<6>相鉄・東急直通線の開業効果(2022年下期予定)

(目黒線8両化、新横浜アクセス改善)

相鉄方面から新横浜を通って日吉まで新線を建設している最中である。そして、この新線は目黒線に乗り入れることが予定されている。これは相鉄方面から都心部へ直通運転することができるようになり、目黒線の乗客増が期待できる。

この新線が開業する時点では目黒線は8両編成運転となっていることが予想される。

また、この新線が開業すれば、新横浜へのアクセスが良好になる。現在は菊名からJR横浜線に乗り換えて一駅乗車しなくてはならなかったのが改善され、東海道新幹線との乗り継ぎが飛躍的に良くなる。

東横線視点からすれば、目黒線の8両化という輸送力増強と、新横浜への目黒線直通運転による利便性向上との2点が効果として挙げられるだろう。


(その他)

今回の「東横線進化」の項目から外したが、特急運転の開始についても触れておく。

東横線は特急という新種別を設定した(2001年)。これは、JRが湘南新宿ラインを開業(2001年)させた影響がある。JRの湘南新宿ライン開業により、横浜や横浜以南の東海道線・横須賀線駅から渋谷・新宿方面へ直通運転することにより、これまで横浜から東横線に乗り換えていた乗客がJRに乗り続けてしまい、乗客を奪われることが予想されたからである。東急は「特急」という種別を設けて横浜から渋谷まで短い時間で到達できることをアピールしたのである。


(さいごに)

東急東横線は、今までに幾度も進化を重ねてきたのである。そしてさらに進化するのである。



※ 参考文献:ウィキペディア。

※ 次回以降は、東横線の通勤ラッシュ時間帯について観察してきましたのでその紹介となります。

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