リニア中央新幹線は2014年12月に着工式を行い、建設を開始している。2027年度には品川・名古屋間を開業予定であり、2037年度に名古屋・新大阪間を開業予定である。しかし、リニアは本当に必要なのだろうか。

なお、ここでは環境問題については触れない。環境が多少悪化したからといっても、もし交通機関として必要不可欠なものであれば建設すべきである、と私は考えているからである。(注:環境問題は重要ではないとまでは言わない。)


<1>リニア中央新幹線の問題点は?

ズバリ、
「莫大な建設費・維持費用がかかるため、費用対効果で見合わないこと」


である。

「リニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会」の試算によると、品川・新大阪間の総投資額は約8.3から9.9兆円とのことである(情報源・ウィキペディア)。しかもこの金額は建設費のみであり、営業運転開始後の長大路線の維持費は含まれていない。

確かにないよりあるほうが便利ではある。しかし大事なことは「莫大な建設費・維持費に見合うだけの効果があるのか」である。

現在東海道新幹線区間である東京・名古屋・新大阪間の輸送量が多いため、リニア建設は一見効果があるように思える。しかしそこは冷静になって考えよう。それでは必要派の主張を見てみよう。


<2>必要派の主張に反論する

まず必要派の主張を列挙してみる。


(1)輸送力増強のため
(2)より速く移動するため
(3)将来の大規模改修に備えるため
(4)大災害時のバイパスとして


これらを一つずつ検討してみよう。

(1)輸送力増強のため?


東海道新幹線は確かに乗車率は高い。また座席配置はぎゅうずめのレイアウトになっている。しかし現在、東海道新幹線が予約が全く取れないという状況にはなっていない。私が旅行などで利用するときはいつも当日指定席が取れるし自由席でも座れている。

もしも「日常的に指定席がまったく取れない、乗れないからもう1本建設する」のであれば少しは理解できるが。

輸送力は足りているのである。


(2)より速く移動するため?


リニアは時速500キロ運転であり鉄軌道の新幹線に比べてさらに超高速運転することができる。しかし東海道新幹線という超高速で超便利な路線がすでに整備されている中、さらに高速で移動したいというのが国民の願いだろうか?

また、東海道新幹線の首都圏地区にある駅は東京・品川・新横浜と巨大都市に近い便利な3駅である。一方リニアは品川・橋本の2駅でしかない。

さらに、東海道新幹線は京都も結び、そして山陽新幹線とも直通する大変便利な路線なのである。新神戸・岡山・広島などの主要都市とも乗り換えなしで結んでいる。一方リニアは新大阪止まりである。

ということで、現在主要都市を結んでいる東海道新幹線で充分便利なのであり、新規路線を建設してまでさらなる高速移動が求められているとは言えないのである。



(3)将来東海道新幹線を大規模改修するから必要?


もし長期間の大規模改修が必要であれば、在来線の高架も長期間改修しなくてはならない。しかし在来線は改修するために長期間運行中止するわけには行かないだろう。例えば、京葉線の高架部分の改修をするのに京葉線を長期間ストップさせるわけにはいかないだろう。

大規模改修のため長期間運行停止させるのではなく、極力運行しながら補強する方法を取るのがよいのである。


(4)大災害時のバイパスが必要?

大地震が起こったときに不通になった場合、バイパスがあれば助かるという意見がある。確かにあればいいにこしたことはない。

しかし、一番のバイパスとは早期復旧なのではないか。それまでは移動できないとあきらめるしかない。どうしても必要なものは北陸新幹線経由等で迂回するしかないのである。



(1)~(4)を見ても、東海道新幹線で充分なのである。


<3>声を上げた著名人たち

著名人も反対意見を出している。

(1)大前研一氏(経営コンサルタント)


大前氏は当初はリニアに賛成であった。しかしその後反対に変更している。大前氏の文章はリンク先を紹介する。

リニア中央新幹線「9兆円プロジェクト」の採算 プレジデントオンライン社より
http://president.jp/articles/-/13044

リニア中央新幹線はゼロベースで見直すべき 日経BP社より
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20131209/376459/


(2)池田信夫氏(経済学者)

池田氏は、国から財政投融資という形でお金を有利に貸すことになったという経済的側面から異議を示した。
自前で建設する約束ではなかったのかということである。

後で返済するのだからいいじゃないか、という声もあるが、優遇してもらっていることには変わりはない。別のことに優遇したほうがいいのである。



◆まとめ

(1)リニア中央新幹線は莫大な建設費用と保守管理費がかかるが、それらの莫大な費用に見合った効果が得られないと考える。

(2)東海道新幹線は乗車率は高いとはいえ、日常的に満席で乗車できない現象は起こっていない。輸送力は足りているのである。また東海道新幹線は、東京・品川・新横浜・京都という巨大都市を結び、そして山陽新幹線とも直通しており、すでに利便性が高い。

(3)大規模災害があっても早期復旧すればよいのでバイパスは必要ない。また、大規模修繕については営業運転しながら修繕する方法を考えればよい。



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