小田急複々線化事業完了後のダイヤ改正が2018年3月に行われた。小田急多摩線・多摩センターからの輸送が格段に改良された。小田急多摩センターでの朝ラッシュ時はどんな状況だったでしょうか?観察をしてきましたので紹介します。


<はじめに>小田急と京王との戦いを整理する

(小田急のセールスポイント)
(1)小田急本線にて複々線化事業が完了して大増発が可能となった。
(2)朝ラッシュピーク時でも「通勤急行」を10分間隔で設定し、ラッシュ時でも新宿への速達サービスを提供。
(3)朝ラッシュ時「通勤急行」は多摩センター始発を3分の2の割合で設定し、ラッシュ時でも始発着席サービスを提供。



(京王のセールスポイント)

(1)夜間・深夜帯において「京王ライナー」を多摩センター方面にも1時間に1本設定し、着席保障の快適サービスを提供。
(2)朝ラッシュ時に多摩センター始発の特急・急行系を1時間に2本程度設定し、速達電車でも着席チャンスを提供。
(3)相模原線の加算運賃期間が終了したため相模原線区間で値下げ


面白い展開になってきた。多摩センター駅からの通勤者にとっては大変嬉しい競争となっている。


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<0>観察の概要

(観察時間) 6:23~7:27
(観察位置) 10両編成では8号車3番ドア、8両・6両編成では6号車3番ドア。



<1>小田急多摩センター駅へ入る

6:09 ネットカフェ「自遊空間多摩センター店」を退出し、多摩センター駅へ向かった。

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改札の外には、小田急のどでかい宣伝が。「朝ラッシュ時に始発6本、ピーク時でも新宿まで通勤急行で40分」と小田急の優位性を強調。速達電車の始発が6本とは、橋本・南大沢を抱える京王ではなしえない技である。

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左側には小田急多摩センターから新宿への発車・到着時刻が掲載されている。ピーク時でも10分間隔に速達電車が用意されていることが具体的にわかる優れた表示だと思う。

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改札を入る。

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駅は2面4線の構造で建設されているが、実際に使用している番線は1・2番線のみである。もったいないと思う。せめて上りだけでも2線使用して多摩センター始発電車を早めに到着させられないのだろうか。

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小田急多摩センター上りホーム着。

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上りホームの反対側は線路は敷かれているが柵が張られている。一方、お隣の京王線は2面4線がフル活用されている。


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<2>観察開始(6:23~7:27)

6:23 各停・新宿行き(8両)着。2人乗車。発車時ガラガラ。

6:25 京王線のホームを眺める。この時点では明らかに京王線のほうが人が多い。このうちの多くは始発の特急を待っているのである。

6:29 急行・新百合ヶ丘行き(6両)着。1人乗車。発車時ガラガラ。


新百合ヶ丘行き6両でも急行運転するんだ。

6:32 各停・新百合ヶ丘行き(10両)着。乗車なし。発車時ガラガラ。

ホームにいる人は次に来る通勤急行を待っていたのである。

6:36 次の通勤急行を待つ人の数が徐々に増えていった。

6:38 通勤急行・新宿行き(10両)着。6人乗車。到着時7人がけロングシートに3~4人着席。発車時全員着席できたが空席はわずか。

オッ、始発の唐木田からこんなに人がいたのか?

6:44 各停・新百合ヶ丘行き(6両)着。5人乗車。到着時ガラガラ、発車時ロングシートに2~3人着席。


6:48 京王のホームを眺める。京王のほうが明らかに人が多い。と思ったが小田急ホームも並ぶ人が増えてきた。

6:50 各停・新百合ヶ丘行き(6両)着。7人乗車。到着時ガラガラ、発車時ロングシートに2~3人着席。


そして急行を待つ人がドアあたり7人。急に人の数が増え、通勤ラッシュ時間帯になってきた。

6:54 始発・通勤急行新宿行き着。12人乗車。発車時ロングシートに5~6人着席。


この通勤急行であれば着席可能である。

7:02 各停・新百合ヶ丘行き(6両)着。4人乗車。次の通勤急行を待つ人6人。発車時余裕で着席可能。


小田急ホームでは鳥のささやく音声を流している。いいね。ただこの日は寒くて体が冷えてきた。

7:07 始発・通勤急行新宿行き着。12人乗車。発車時ロングシートに5~6人着席。


7:07発までの通勤急行では多摩センターでは全員着席可能であることがわかった。

7:13 各停・新百合ヶ丘行き(6両)着。12人乗車。発車時編成全体では座席の3分の1程度の着席率である。

7:17 通勤急行新宿行き(10両)着。7人乗車。到着時座席の半数が着席。発車時はドア前に1人立っている。

3本中1本の唐木田始発の通勤急行である。この電車でもほぼ着席可能といってよいだろう。唐木田始発でも唐木田からの利用者は少ないので着席できるのである。

7:23 各停・新百合ヶ丘行き(6両)着。1人降車6人乗車。発車時ロングシートに1~4人着席。


降車した1人は次の始発通勤急行に乗り換える人であった。唐木田からの利用者でも多摩センターで始発の通勤急行に乗り換えてもらえれば、通勤急行をすべて多摩センター始発に統一することが可能なのである。そうなると見た目では迫力がでてくる。しかし唐木田利用者への配慮もあって始発を3本中2本にしたのだろう。

7:27 始発・通勤急行新宿行き(10両)着。18人乗車。発車時ドア前4人立っている。

いままでの観察のうち最大数の乗車である。私も乗車した。8号車全体を見てもどのドアにも平均4人立っていた。



<3>整理すると

通勤急行・急行は太字とした。また「L」は7人掛けロングシートを表す。

6:23 各停・新宿(8両)。2人乗車。発車時ガラガラ。
6:29 急行・新百合ヶ丘(6両)。1人乗車。発車時ガラガラ。
6:32 各停・新百合ヶ丘(10両)。乗車なし。発車時ガラガラ。
6:38 通急・新宿(10両)。6人乗車。到着時Lに3~4人着席。発車時空席わずか。
6:44 各停・新百合ヶ丘(6両)。5人乗車。到着時ガラガラ、発車時Lに2~3人着席。
6:50 各停・新百合ヶ丘(6両)。7人乗車。到着時ガラガラ、発車時Lに2~3人着席。

6:54 通急・新宿(始発・10両)。12人乗車。発車時Lに5~6人着席。

7:02 各停・新百合ヶ丘(6両)。4人乗車。発車時余裕で着席可能。

7:07 通急・新宿(始発・10両)。12人乗車。発車時Lに5~6人着席。
7:13 各停・新百合ヶ丘(6両)。12人乗車。発車時編成全体で座席の3分の1程度。
7:17 通急・新宿(10両)。7人乗車。到着時座席の半数が着席。発車時ドア前1人立。
7:23 各停・新百合ヶ丘(6両)。1人降車6人乗車。発車時Lに1~4人着席。

7:27 通急・新宿(始発・10両)。18人乗車。発車時ドア前4人立。

・通勤急行であるが、7:07発までは全員着席可能、7:17、7:27発では着席できない人がでてきているが多数は着席可能、という結果となった。5分前に到着していれば充分着席できる。
・なお、各駅停車は新百合ヶ丘止まりであるため余裕で着席できる。



◆まとめ

(1)小田急はラッシュピークに速達種別となる通勤急行を10分間隔で用意した。さらに3分の2を多摩センター始発として意欲的な設定とした。
(2)通勤急行は7:07発までは全員着席可能であり、7:17・7:27発でも多数が着席可能であった。多摩センターではほぼ着席できるといってよい。
(3)小田急と京王との戦い。小田急の通勤急行は10分間隔であり大多数が着席可能なため魅力的という感想を持った。現在はまだ京王の方が利用者が多い印象であるが、今後小田急がジワジワと増やしていくかもしれない。


※ 次回は、通勤急行で成城学園前まで向かった乗車体験報告です。

※ 乗車年月日 2018年4月17日


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